3月から、耐震工事・断熱向上工事・水回りの配管のすべての取替・間取りの変更を含めたリノベーション工事を始めています。
「水回りが古くなっていることがリフォームの一番の動機。ただ、ふすまの開け閉めがしずらくなり、2階が下がってきている気がする・・・」など、建物に対しての不安もありました。
調べてみると、平らであるはずの2階の床が歩くだけでも片側に傾いているのがわかります。
床下や天井裏などに入らせてもらい、詳細な調査をしていくと、特に構造面で,疑問点やおかしいところが、出てきました。
時間をかけさせていただき、打合せを通して、1階はスケルトン状態にして、耐震の工事・断熱性向上の工事を含めたリフォーム工事を実施することになりました。
さて、工事は、地域のリフォームの補助金の申請時期の関係で、水回りの工事から始めました。
工事中の写真です。水回り部分を床・壁・天井を解体しました。
トイレ・洗面は問題ありませんでしたが、浴室は土台が腐敗していました。
タイルの浴室だったので、長い年月で、水漏れが発生していたのでしょう。
こんな写真を見ると驚くかもしれませんが、結構多くの建物で見かける状況です。
このお宅は運の良いことに、白蟻の被害はありませんでした。
土台を入れ替えた後で、エコボロンというホウ酸系の防虫防腐剤で処理しました。
右側の写真は、基礎の部分が黒っぽいシートで覆われています。これは炭素繊維シートです。
鉄筋の入っていないコンクリート基礎を強くします。
ところで、通常の古い布基礎には、床下を換気するための換気口が設置されています。
ところが、このお宅は水回りで湿気が出やすいところなのに一つもありません。(水回り以外にはあります。)
工事前からわかっていたことなので、悲惨な状況になっているかもと実は覚悟をしていたのですが、
いざ、床を撤去したら、この程度で済んでいたので、正直ほっとしました。
この悪い状況でも35年間どうにかもっていたこと・今回システムバスにすること・防蟻処理をすること・新しい換気口は基礎を弱くすることから、お客様とご相談し、新しい換気口は設けずに、土間面を防湿シートで覆い、コンクリートと砂で抑えるという納めにしてあります。